2020年が終わる前に私とHiGH&LOWの馴れ初めを記録しておきたい

 今まで何度かハイローとのこれまでをまとめておこうと思うだけ思って何もしていなかったので、年の節目に綴っておこうと思う。

 これは、私がどのようにしてハイローにハマっていったかの経緯を綴った記録である。


 始まりは2016年5月。Twitterを見ていた私は、「前田公輝が眼鏡キャラを演る」という情報を手に入れた。
 前田公輝が眼鏡?!

 三度の飯より眼鏡が好きな私にとって、この情報は衝撃だった。
 前田公輝さんといえば、私が一時期ドハマりしていた『戦国鍋TV』において「源吾のゲンは元気のゲン! 源吾のゴはご飯のゴ!」でお馴染みのAKR四十七の大高源吾を演じていたことで有名(私の中で)。
 その彼が眼鏡キャラを演ると。しかも、彼にとって「初めての」眼鏡キャラ役だという。マジか。ごーきくんの初めての眼鏡役が放送されるのか。これは見ないわけにはいかん。と、早速そのキャラについて情報を探し始めたのだが、わかったのは上記した情報と、出演する作品は「HiGH&LOW」というタイトルである、ということ。
 そういうわけで早速HiGH&LOWの公式サイトに飛び、キャラ紹介を浚ったのだが、いない。
 『海賊戦隊ゴーカイジャー』のジョー・ギブケンでお馴染みの山田裕貴や、テニミュシリーズに出ていたことは知っている遠藤雄弥、『仮面ライダードライブ』の仮面ライダーマッハこと稲葉友ゴールデンボンバー窪田正孝林遣都など見覚えのあるキャストがいることはわかった。あとの知らないキャストはみんなJソウルなんとかのみなさんだと思っていた。(今になって考えてみると、劇団とアキラさんとたいきくん以外はみんな何代目Jなんとかさんだったんだな。)
 で、ごーきくんどこ? と引き続き探し回った結果、「彼はまだ出ていないのでキャラ紹介にいない」ということまでわかった。Twitterに撮影中の写真やキャラの顔画像くらい落ちてないかと探したがそれも見つからなかった。いつから出るのかもわからなかった。
 仕方ないので、とりあえず次の放送回から見ることにした。前田公輝の眼鏡を絶対に見逃したくない一心で。 

 2016年5月29日深夜1時。HiGH&LOW Season2第6話が始まり、私の待ち望んでいた前田公輝は、出なかった。

 でも予告にいた。当時の私の好みドストライクな外見で。最高すぎて頭がどうかした。しかもこのビジュアルで、次回は山田裕貴のキャラと戦うらしい。なんだそれ?!
 イケメガ(眼鏡のイケメンのこと)で頭がいっぱいのまま1週間が過ぎ、7話では前田さん演じる轟洋介が山田さん演じる村山良樹が元締めの学校に転校するところから始まった。
 7話が始まり、鬼邪高校(おやこうこう)の門前に立つ轟。

 このビジュアルが完璧すぎてまた頭がおかしくなった。黒髪短髪眼鏡デコ出し学ラン真面目風外見喧嘩クソ強男の完全なる実写誕生である。(詳細は省くが、轟洋介のビジュアルのすごさは、ハイローがオリジナルドラマなのにしばしば「原作通りの実写化」と形容されることからもお察しいただきたい。)
 そして更に翌週の8話。遂に村山と轟のタイマンが始まった。
 すっっっっっっっっげ。
 どんなタイマンか説明をするのも野暮なのでもう見てくれ8話を。HiGH&LOW Season2 8話を見てくれ。見た人全員が言うけど、轟が村山に蹴りを入れたあとズサッて滑るところがすごいんだほんと。
 もうここで私の足はハイロー沼にハマっていた。8話までは轟洋介の眼鏡のことしか考えられなかったが、8話を見終わったら今後のハイローも見たくてしょうがなくなってしまったのだ。
 というかぶっちゃけ、初見した6話でキジー稲葉友)が性別適合手術を受けてきたらしいあたりとカイト(柳俊太郎)とカップルであること、サングラスの人(ロッキー(黒木啓司))がだいぶ良い人っぽいこと、その人に右腕(コウ(遠藤雄弥))がいるあたりからもう私の中では結構キていた。ハイローを見た人の半分くらいに起こる「ホワイトラスカルズオタクの心にぶっ刺さり事件」である。(そんなものはない。)(えっ、ないんですか?!)
 9話が放送されるまでの間にハイローへのパッションが溢れすぎて、友人(シーズン2開始前にやっていたシーズン1総集編みたいなのをたまたま見た程度のハイロー知識の持ち主)を相手にハイローの勉強までした。めちゃくちゃ楽しかった。まあ9話は昏睡状態で入院していたノボル(町田啓太)が退院するくらいで、アクション的なものは特になかったのだが。しかも10話で最終回。7月には映画もある。
 こうしちゃいられねえ。ハイローを見るぞ。
 決意した私はHuluへと向かった。なんとHuluは初めての登録なら2週間無料で利用可能、しかも無料期間内に退会しても「今月分を払え!」と言ってこないめちゃありがたサービスなのである(今はどうなのか知らない)。2週間もあれば未視聴のSeason1(全10話)と2の5話までを見られる、つまり無料でハイローを全話見れてしまう。そしたらすぐ退会したらいいや。このときの私はそう思っていた。
 が、入って2日でシーズン1を見終えてしまった。再生ボタンを押す手が止まらなかった。あれよあれよと言う間にSWORDのみんなが喧嘩し、家村会が暗躍して、ノボルが撥ねられて10話分終わってしまったのである。その翌日にはシーズン2の5話まで見終えてしまった。たった3日のうちに、既出分のハイローを全て摂取してしまったのだ(但し、シーズン1の総集編且つ新規カットもある「ROAD TO HiGH&LOW」だけは、当時見るすべがなかった)。ちなみに初見からここに至るまで1ヶ月かかっていない。当時の自分のパッションが怖い。加えてこのあとすぐ『HiGH&LOW THE BOOK』も買った。
(これは、EXILEによるEXILEファンのための雑誌『月刊EXILE』の増刊号で、ザムまでのハイローに出てくるキャラ一人ひとりの立ち絵(絵ではない)が載っているとかいうヤバいブツである。ハイロー好きな人には絶対買ってほしい。)
 そして迎えた7月16日。映画「HiGH&LOW THE MOVIE」(通称「ザム」)の公開日である。エグザイルのファン層に陰キャオタク一人で突っ込むのは怖すぎたから、前述の友人を誘って行った。まあ、およそ1ヶ月半ハイローを見ているうちそんなことにビビってる場合じゃなくなってたのだが。仕事が終わるなり私は友人と映画館へ来た、見た、勝った。
 圧倒的質量・物量の前に、私はもうカエサルのごとき強さを手に入れたつもりになった。
 公開当時からさんざっぱら言ってるが、ザムはすごい。まず人の量がすごい。100人VS500人の映像を撮るが単純に600人だけだとボリュームが足りないので1000人を揃える映画なのである。映画関係者に「ハイローを撮っている時は日本中のスタントマンがいなくなる」と言わしめる物量(ドラマ版では「ハーレー100台が走る映像を撮るため全国からハーレー乗りを相当数募集した」という撮影もしている)。また、EXILEを筆頭に多数のアーティストが所属するLDH社が積み重ねてきたMV撮影のノウハウを映画に持ってくるとかいう技術転換(とか言ってみたけど撮影技術のことはよく知らないので適当に言っています)。なんかすごいカメラ(当時の世界に数台しかないらしいなんかすごいやつ)。ビンを投げつけて攻撃するシーンのために飴製の撮影用ビンを空輸。次作の話になるが「ダンスやってるならこういうアクションもできますよね?」というノリでエグザイルの人にガチめの戦闘術をやってもらっちゃうスタンス(やった人はダンサーじゃなくてボーカルだし)。などなどまあ色々エピソードはあるんだけど、とにかく、これが撮りたい!という画を撮ることに対して本気が過ぎる。それを浴びて私のテンションはめちゃくちゃだ。強くもなるわ。
 当時仕事をすることと社会人であることに息詰まっていた私は、この夏の間ザムを通算6・7回くらい浴びて人生を繋いだ。ザムがなければ病みきっていただろう(ハイローファンにはこのように「ハイローと出会って生きながらえた(大意)」という人が多い(私調べ))。
 このようにして、私の2016年夏は過ぎていき、次なる問題が浮上した。
 HiGH&LOWが無い。
 ザムの公開と同時に、作中トップクラスの強さを持つ雨宮兄弟を主役としたスピンオフ「HiGH&LOW THE RED RAIN」(通称レッレ)が10月に公開されることが発表された。だが、9月上旬頃にザムの公開が概ね終了し、レッレが公開されるまでの間、「私の見ていないHiGH&LOW」がないのだ。
 ここまで来たらもう眼鏡がどうとかいう話では済まないのである。というか、相変わらず轟くんも好きではあったが、コウさんのナンバーツー力(ちから)が強すぎてもうコウさんが最推しだったし、ザムを見るたびに「ノボルと広斗の顔めっちゃ良いな…」と思っていたから、もうハイロー無しでは生きていけない状態だった。

 「HiGH&LOW THE BASE」(ハイローのセットを汐留の一角に持ち込んだ謎空間。2018年には「HiGH&LOW THE LAND/THE MUSEUM」として遊園地に発展した)に行ったし、山王商店街のロケ地(群馬県高崎市)にも行った。ハイローと私はズブズブだった。

 ハイローがない空白の1ヶ月、私はどうやって生きたらいいんだ?
 そこへ飛び込んできたのが、「ザム応援上映及びHiGH&LOW THE LIVE(通称ザラ)ライブビューイング開催」の報である。
 「応援…上映…? 実写映画なのに…?」ハイローオタク全員が、そう思った。「ザムに声がけし、ペンラを振り、うちわを振るのか? ザムだぞ?」そう思った。
 私はそれまで応援上映の経験は無く、ライブビューイングも経験が無い。そもそもチケットの取り方を知らない。
 しかしオタクの行動は早い。ザムを見れるならば応援上映にも行ってやろうという強い気持ちによりチケットを取った。一方でライビュについてはいまいち乗り気ではなかった。ハイローはエグザイルのみなさんが主体となっている作品でもあることから、各チームにLDH所属アーティストによるテーマ曲がつき、主題歌を担当しているのも当然エグザイル。それらの楽曲が一堂に会し、更に各アーティストの楽曲も披露する、というのがザラである。
 私はハイローのオタクにはなっていたが、まだエグザイルのオタクではなかった。なんなら「MVを見たがギラギラしていて私にはまだ早いと思った」「MVのボリュームがありすぎてどれが誰だかわからない」などと言っているレベル。しかし一足先にエグザイルのオタクへの一歩を踏み出していた友人は早かった。「ライビュ取るけど、行く?」と言うのである。
 というわけで、どちらも行った。ザラを初見した詳細についてはこっちに書いてあるので興味があれば読んで。エグザイル初心者すぎていろいろ間違っているのが逆に良いなと思って、書いた当時のままにしてある。
 さて、応援上映と二度のザラライビュが終わり、いい加減に見るハイローがなくなってしまった。と言ってもライビュからレッレ公開までひと月もないのだが、「ザムを見れない」ことに耐えられなかった。冷静に振り返って考えれば完全に中毒症状である。
 そんな時、目に入ったのが『シュガーレス』だった。シュガーレスは「エグザイルのみなさんが喧嘩している」というハイローとの大きな共通点があり、エグザイル以外のキャスティングも一部共通している(それこそコウさん役の遠藤さんとか)。なのでこれも見た。ハイローを見たときと同じペースで見た。おかげで今でもコウさんと因縁のある役としてSHOKICHIがハイローに出てこないかと思っている。シャケと兼光の因縁最高だったなマジで。

 さて、ザムの視聴数と比例して、私の中で株が急成長してきた人物がいる。ハイローでノボル役を演っている町田啓太である。
 ザムの中で単純に顔の好みだけで言えばノボルの顔がトップクラスに好きだったのだが、ザム公開の終わった秋頃だったろうか。気づいたらなぜか町田沼にハマっていた。本当に、気づいたらハマっていた。最後のひと押し、みたいなのがなんだったのかは未だにわからない。気がついたら町田啓太の沼の中に肩まで浸かっていたのだ。冷静に振り返ると怖い。なにそれ。そんなことある? あったんだよな…。轟くんから入ってコウさん推しになり気がついたらノボルに嵌っていた。なんでだろう。あっ、もしかしてあれかな、ザラファイナルのノボルの笑顔かもしれないな。

 そういうわけで、レッレを見ている頃にはノボルの話ばっかしていた。ノボルはもともと喧嘩するほうのタイプではなく、作中で一番頭が良くて大学進学もできる希望の王冠だったのだが、ある事件をきっかけに道を踏み外してしまい車に撥ねられて一回心臓が止まるもHIROさんの思し召しで復活し、レッレではハッキング能力で雨宮兄弟を助け、「HiGH&LOW THE MOVIE2 END OF SKY(ザム2)」以降は喧嘩にも普通に加わる。未遂に終わったが、どうやら爆弾の解体もできる設定になっているみたいで、頭の良さだけで言えば完全に作中ではチートクラス、というキャラである。

 彼を入り口として私は町田啓太のオタクになり、かれこれ4年ほど経つ。最近は「チェリまほ」の影響でアジア圏に勢力を拡大し、グローバルな存在となりつつあるっぽい。町田くんにハマってからのことも書きたいな~とは思っているのだけど、いい加減紙幅が厚くなってきたので今回はハイローの話だけで。町田くんのことはまた別の機会に(などと言っている時は大抵続かない)。

 ハイローシリーズには数え切れないほどのネームドキャラが出てきて、かつ「全員主役」というキャッチフレーズを掲げるほどそれぞれのキャラが違っているので、推しキャラを作るタイプの人は一通り見れば必ず推しが見つかることでしょう。あとはアクションがすごい、本当にすごいのでアクションが好きな人には絶対見てほしい。

 私のオススメ視聴順は、ドラマシーズン1→2→ザム→レッレ→ザム2→ザム3(→ザDTC→ザワ)と公開順に全部、なのですが、そんなに時間ないよ!という方はロードトゥ→ザム→(以下略)でもいいですし、いやとりあえず1本だけ…と言うのであれば、ひとまずザムを見てください。HuluやNetflixで配信しています。

 

 というわけで、長くなりましたがここまでお付き合いいただきありがとうございました。みなさま良いお年を。